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ぽちっとバイブル 第60回『ハンナの祈り』


📖聖書箇所 

🎨「神殿でハンナより捧げられるサムエル」

フランク・W・W・トッパム(1838~1924)作


今回は、前回取り上げた、人々がそれぞれ自分の目に良いと見えることを行っていた士師記の時代の後のことです。


『エルカナには二人の妻がいた。一人の名はハンナといい、もう一人の名はペニンナといった。ペニンナには子がいたが、ハンナには子がいなかった。

 ~略~

そのようなある日、エルカナはいけにえを献げた。彼は、妻のペニンナ、そして彼女のすべての息子、娘たちに、それぞれの受ける分を与えるようにしていたが、ハンナには特別の受ける分を与えていた。主は彼女の胎を閉じておられたが、彼がハンナを愛していたからである。また、彼女に敵対するペニンナは、主がハンナの胎を閉じておられたことで、彼女をひどく苛立たせ、その怒りをかき立てた。そのようなことが毎年行われ、ハンナが主の家に上って行くたびに、ペニンナは彼女の怒りをかき立てるのだった。こういうわけで、ハンナは泣いて、食事をしようともしなかった。

~略~

ハンナの心は痛んでいた。彼女は激しく泣いて、主に祈った。そして誓願を立てて言った。

「万軍の主よ。もし、あなたがはしための苦しみをご覧になり、私を心に留め、このはしためを忘れず、男の子を下さるなら、私はその子を一生の間、主にお渡しします。そしてその子の頭にかみそりを当てません。」』

サムエル記 第一 1:2~11


ハンナは心を注ぎ出す祈りをしました。祈りを終えた後のハンナの顔は、『もはや以前のようではなかった』(サムエル記第一1:18)とあるので、神への祈りがハンナの心を変えたのでしょうか?


神はハンナに心を留められ、翌年、男の子が生まれます。その子がサムエルです。サムエルはハンナが神に捧げると祈った通り、祭司エリの元に預けられ、やがてイスラエル最後の士師であり、神の言葉を人々に伝える預言者として大きな働きをする人物になりました。(ぽちっとバイブル第17回参照



🐶ぽちっとひとこと


聖書には、このような日常生活の中での人々の悩み、苦しみの叫びに、神が答えられるストーリーを数多く見ることができます。聖書の神の性質が感じられますね。


ハンナはサムエルを神にゆだねて、祈ります。


『私の心は主にあって大いに喜び、

私の角は主によって高く上がります。

私の口は敵に向かって大きく開きます。

私があなたの救いを喜ぶからです。

主のように聖なる方はいません。

まことに、あなたのほかにはだれもいないのです。

私たちの神のような岩はありません。』

サムエル記 第一 2:1~2


ハンナの喜びと神への感謝が力強く、高らかに歌われています。“角”は、強さや力を表す言葉で、聖書の他の場所でもよく使われる言葉です。


『ほむべきかな、イスラエルの神、主。

主はその御民を顧みて、贖いをなし、

救いの角を私たちのために、

しもべダビデの家に立てられた。』

ルカの福音書 1:68~69


これは、新約聖書のルカの福音書で、祭司ザカリヤが歌ったもので、“救いの角”は、救い主キリストを指しています。ハンナの祈りでも最後に“油注がれた者の角を高く上げて~”とあり、救い主キリストを連想させ、旧約聖書と新約聖書のつながりを示しているようです。


ハンナの祈りの続きも下に載せておきますので、ぜひ読んでみてくださいね!


『おごり高ぶって、

多くのことを語ってはなりません。

横柄なことばを口にしてはなりません。

まことに主は、すべてを知る神。

そのみわざは測り知れません。


勇士が弓を砕かれ、

弱い者が力を帯びます。

満ち足りていた者がパンのために雇われ、

飢えていた者に、飢えることがなくなります。

不妊の女が七人の子を産み、

子だくさんの女が、打ちしおれてしまいます。


主は殺し、また生かします。

よみに下し、また引き上げます。

主は貧しくし、また富ませ、

低くし、また高くします。

主は、弱い者をちりから起こし、

貧しい者をあくたから引き上げ、

高貴な者とともに座らせ、

彼らに栄光の座を継がせます。


まことに、地の柱は主のもの。

その上に主は世界を据えられました。

主は敬虔な者たちの足を守られます。

しかし、悪者どもは、闇の中に滅び失せます。

人は、自分の能力によっては勝てないからです。

主は、はむかう者を打ち砕き、

その者に天から雷鳴を響かせられます。

主は地の果ての果てまでさばかれます。


主が、ご自分の王に力を与え、

主に油注がれた者の角を

高く上げてくださいますように。』

サムエル記 第一 2:3~10


聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

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