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ぽちっとバイブル 第75回『ローマへの旅』


聖パウロ大聖堂のパウロ像(ローマ)

📖聖書箇所 

(新)使徒の働き21:17~28:31

🎨『聖パウロ像』

ジュゼッペオビチ(1807-1878)作


三回目の伝道旅行を終えたパウロは、エルサレムに着くと、エルサレム教会のリーダーのヤコブや長老たちを訪問しました。ところが、アジア州(現トルコ)から来たユダヤ人たちが群衆を扇動し、パウロを捕らえて殺そうとしますが、ローマ軍の千人隊長によって保護されます。パウロがローマ市民権を持っていたからでした。当時のローマ市民権は、選挙権や裁判権を保障し、ローマ法の下に守られ、裁判を受けることを意味したのです。


エルサレムのユダヤ人の最高法院で、パウロは弁明しますが、結局ローマ総督のいるカイサリアに移送されます。


『その夜、主がパウロのそばに立って、「勇気を出しなさい。あなたは、エルサレムでわたしのことを証ししたように、ローマでも証しをしなければならない」と言われた。』

使徒の働き 23:11


これは、カイサリアに移送される前夜、イエスがパウロに現れて語った言葉です。パウロもこれからどうなるのか恐れがあったのでしょうか、大きな励ましとなったに違いありません。と同時に、ローマに行くことが示されたのでした。


そして、軟禁状態に置かれ、2年の月日が過ぎます。新しいローマ総督フェストゥスが着任し、ユダヤ人たちに告訴されたパウロは、ヘロデ家の血を引くユダヤの領主アグリッパ王らの前で自らの信仰を証言します。


更に裁判を受けるため、海路ローマに行くことになったパウロと一行は、船が遭難するなどの困難を極めますが、神が「いのちを失う人は一人もありません」と語られたと人々を励ましたのでした。


ローマに着くと、ユダヤ人の主な人々に神の国のことを伝えますが、一部の人々以外はパウロの言うことを受け入れようとしません。ですから、パウロは神の救いが異邦人に送られ、彼らが聞き従うことになると断言したのでした。



🐶ぽちっとひとこと


『また、アグリッパはフェストゥスに、「あの人は、もしカエサルに上訴していなかったら、釈放してもらえたであろうに」と言った。』

使徒の働き 26:32


ローマ総督のフェストゥスもユダヤのアグリッパ王もパウロは無罪であることを理解していました。ですが、パウロはローマで裁判を受けることを求めました。以前、主が語られたようにローマでも証言することを自分の使命と理解してのことでしょうか。


パウロは、まる二年間、自費で借りた家に住み、訪ねて来る人たちをみな迎えて、

少しもはばかることなく、また妨げられることもなく、神の国を宣べ伝え、主イエス・キリストのことを教えた。』

使徒の働き 28:30~31


これは、“使徒の働き”の最後の言葉です。パウロは、ローマでも軟禁状態にあったと思われますが、訪ねてくる人々に、神の国とイエス・キリストのことを伝え続けたことがわかります。


ユダヤ人エリートとして育ち、イエス・キリストを信じる者を殺害しようとするほどであったパウロが、復活のイエスに出会い、今度は命をかけて、そのキリストを伝える者になりました。


パウロがローマでキリストを伝えたので、もしかしたら、今、世界中の人々が聖書を読めることにつながったのかもしれません。ぜひ、パウロの生涯をさらに深く聖書から読んでみてください!


『私にとって生きることはキリスト、死ぬことは益です。』

ピリピ人への手紙 1:21


聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

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