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ぽちっとバイブル 第74回『パウロの第三次宣教旅行』


📖聖書箇所 

(新)使徒の働き18:23~21:16

🎨『エペソでのパウロと魔術の本の焼却』

ルキウス・マッサーリ作 1612年


『パウロはアンティオキアにしばらく滞在した後、また出発し、ガラテヤの地方やフリュギアを次々に巡って、すべての弟子たちを力づけた。』

使徒の働き 18:23


第二次宣教旅行を終えたパウロですが、これまでに開拓した教会を訪ねるために、再度出かけています。第三次宣教旅行です。


当時のアジア(現トルコ)における大都市エペソは、アルテミス神殿があり、人々にとってアルテミス神殿の土産物が大きな収入源になっていたようです。


このエペソでも、パウロは最初にユダヤ人の会堂(シナゴーグ)に入って、3カ月間神の国のことを語りますが、ユダヤ人たちは聞き入れません。ですので、場所をティラノの講堂という所に移して、2年間人々に主のことばを教え続けました。その結果、アジアに住む人々は皆、主のことばを聞いたと聖書は記しています。


神はパウロを通して力あるわざを行ったので、大勢の人々が信仰に入り、自分たちの罪を告白し、魔術などの書物を焼き捨てることも起こりました。


『そのころ、この道のことで、大変な騒ぎが起こった。デメテリオという名の銀細工人がいて、銀でアルテミス神殿の模型を造り、職人たちにかなりの収入を得させていたが、

その職人たちや同業の者たちを集めて、こう言ったのである。

「皆さん。ご承知のとおり、私たちが繁盛しているのはこの仕事のおかげです。ところが、見聞きしているように、あのパウロが、手で造った物は神ではないと言って、エペソだけでなく、アジアのほぼ全域にわたって、大勢の人々を説き伏せ、迷わせてしまいました。これでは、私たちの仕事の評判が悪くなる恐れがあるばかりか、偉大な女神アルテミスの神殿も軽んじられ、全アジア、全世界が拝むこの女神のご威光さえも失われそうです。」』

使徒の働き 19:23~27


このデメテリオの発言をきっかけに、町中が混乱に陥る暴動が起こりました。パウロは『手で造った物は神ではない』とはっきり語ったので、自分たちの収入が減ることを恐れた銀細工人たちがアルテミス神殿礼拝に結びつけて、人々を扇動したのです。


『人々は、それぞれ違ったことを叫んでいた。実際、集会は混乱状態で、大多数の人たちは、何のために集まったのかさえ知らなかった。』

使徒の働き 19:32






🐶ぽちっとひとこと


この騒動からいくつかのことがわかります。パウロに反対した人々は、信仰の問題ではなく、自分たちの利益の問題から暴動を起こしたと考えられます。ですが、人々を扇動するために、女神のことを持ち出したと言っていいでしょう。ある人々は何もわからず集まり、暴動に参加していたとあります。人間の性質を垣間見させられることではないでしょうか。


結局、町の書記官の冷静な判断によって治まりました。パウロたちが有罪とされる正当な理由はないとされたのです。パウロたちには、思いがけない助けでしたが、これも神の介入と言えるかもしれません。


『神はパウロの手によって、驚くべき力あるわざを行われた。』

使徒の働き 19:11


神がパウロを用いて宣教活動を行ったのですが、何の障害もなかったわけではなく、いつも反対者やさまざまな困難があり、それを信仰者たちは乗り越えていかなければなりませんでした。


神の国の福音を伝えるということは、大変な困難に遭うことであるという事実を、そして、困難な中にあっても使徒たちは聖霊から力注がれ、互いに励まし合い、時には、思わぬ助けを得て、働きを前進させていったことを聖書は隠さず伝えているのですね。


聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会


参考:

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