ぽちっとバイブル 第55回『エサウとヤコブ』
- pochittobible
- 2021年2月26日
- 読了時間: 3分
📖聖書箇所
(旧)創世記25:32~34、28:18~19
🎨「一碗のあつもの」
ジェームス・ティソ作 1902年
アブラハムの息子がイサクで、イサクの息子が双子のエサウとヤコブでした。エサウが長男でヤコブが次男です。
ある日、エサウが猟から帰ってきた時、ヤコブはちょうど豆の煮物を煮ていました。エサウは疲れ切っていたので、その煮物を食べさせてくれるようヤコブに頼みます。ヤコブは、長子(=長男)の権利と引き換えとエサウに誓わせて、煮物を与えます。
『エサウは、「見てくれ。私は死にそうだ。長子の権利など、私にとって何になろう」と言った。ヤコブが「今すぐ、私に誓ってください」と言ったので、エサウはヤコブに誓った。こうして彼は、自分の長子の権利をヤコブに売った。ヤコブがエサウにパンとレンズ豆の煮物を与えたので、エサウは食べたり飲んだりして、立ち去った。こうしてエサウは長子の権利を侮った。』
創世記 25:32~34
父イサクが年を取り、エサウを祝福しようとした時、ヤコブはエサウになりすまし、イサクの好きな料理を持っていき、祝福の祈りを受けます。
『ヤコブは父のところに行き、「お父さん」と言った。イサクは「おお。おまえはだれかね、わが子よ」と尋ねた。ヤコブは父に、「長男のエサウです。私はお父さんが言われたとおりにしました。どうぞ、起きて座り、私の獲物を召し上がってください。そうして、自ら私を祝福してください」と答えた。』
創世記 27:18~19
『イサクがヤコブを祝福し終わり、ヤコブが父イサクの前から出て行くとすぐに、兄のエサウが猟から戻って来た。』
創世記 27:30
ヤコブにだまされたことを知ったエサウは激怒し、ヤコブを殺そうと企みます。ヤコブは親戚のおじの家へ逃げていったのでした。
🐶ぽちっとひとこと
“長子の権利”とは、①家族の長としての指導権を持つこと、②2倍の相続権を持つこと(申命記21:17参照)、③神がアブラハムに約束された契約の祝福(ぽちっとバイブル第9回参照)を受け継ぐことの3点があると考えられます。
エサウがこの“長子の権利”を売ったということは、神の祝福をとても軽んじていたことを示していると言えます。
一方、ヤコブは、取引してこの“長子の権利”を得、父イサクをだまして祝福を受けるというずる賢い性格の持ち主に思われて、聖書の人物では人気は今ひとつ・・・?ですが、それほどまでに神からの祝福を求めたという熱心さがあったとも言えます。こうして、ヤコブは後に神から“イスラエル”と名付けられ、ヤコブの息子12人がイスラエル十二部族となります。
ヤコブの人生は波瀾万丈そのものでしたが、長い年月を経た後、エサウと再会し、和解したのでした。
『ヤコブは自ら彼らの先に立って進んだ。彼は兄に近づくまで、七回地にひれ伏した。
エサウは迎えに走って来て、彼を抱きしめ、首に抱きついて口づけし、二人は泣いた。』
創世記 33:3~4
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
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