ぽちっとバイブル 第40回『ゲッセマネの祈り』
- pochittobible
- 2020年10月2日
- 読了時間: 2分

📖聖書箇所
(新)ルカの福音書22:39~48
🎨「ゲッセマネのキリスト」
ヴァシリー・ペロフ作 1878年
(Wikipediaより)
“最後の晩餐”(ぽちっとバイブル第39回参照)の後の話です。
『それからイエスは出て行き、いつものようにオリーブ山に行かれた。弟子たちもイエスに従った。いつもの場所に来ると、イエスは彼らに、「誘惑に陥らないように祈っていなさい」と言われた。そして、ご自分は弟子たちから離れて、石を投げて届くほどのところに行き、ひざまずいて祈られた。
「父よ、みこころなら、この杯をわたしから取り去ってください。しかし、わたしの願いではなく、みこころがなりますように。」
〔*すると、御使いが天から現れて、イエスを力づけた。
イエスは苦しみもだえて、いよいよ切に祈られた。汗が血のしずくのように地に落ちた。〕
イエスが祈り終わって立ち上がり、弟子たちのところに行ってご覧になると、彼らは悲しみの果てに眠り込んでいた。そこで、彼らに言われた。
「どうして眠っているのか。誘惑に陥らないように、起きて祈っていなさい。」
ルカの福音書22:39~46
*初期の写本には、〔 〕の部分を欠くものが多い。(新改訳聖書2017より)
🐶ぽちっとひとこと
これは、イエスが十字架にかかる前夜に徹夜で祈った場面で、ゲッセマネという場所だったとマタイの福音書には書かれています。
この“ゲッセマネ”という地名は、原語のヘブル語では、「搾油機」を意味する言葉と「オリーブ油」を意味する言葉が合わさった複合語だそうです。イエスは、その場所を最後の祈りの場として選ばれました。まるでオリーブ油を搾りだすかのように、魂を注ぎだして、神に祈りをささげたのではないでしょうか。
オリーブ油は4回ほどに分けて搾られていたそうです。最初は軽い石を重しにして搾り、この最初の油は聖なる油として神殿にささげられました。次々に重しが少しずつ重くなり、その都度、用途が変わり、食用や薬用、化粧品、燃料として使われたそうです。そして、最後にもう搾れないだろうと思われる搾りかすを搾りきって、石鹸の材料にしたそうです。
このように、重しがだんだん重くなり、限界まで油を搾るように、イエスも祈る中で、全人類の罪の重さをその身に受けて、押さえつけられるかのように、身体が地面に伏させられたとも言われています。ですから、オリーブ油が最後の一滴まで搾られるように、イエスから汗が血のように流れ出たのでしょう。
このように、聖書の言葉の背景にある意味を知ると、その場面が現実味を帯びて浮かび上がってきますね。
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
参考文献
『聖書の世界が見える』(聖書に潜む植物のストーリー)リュ・モーセ著(Duranno)
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