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ぽちっとBプラス No.57『使徒の働きが伝えていること』


🎨『バンティングの世界地図』

ハインリヒ・バンティング作 1581年


“使徒の働き”は、使徒行伝、または、使徒言行録とも呼ばれ、ルカの福音書の続編であり、著者は明記されていませんが、ルカの福音書を書いたルカと考えられています。そして、ルカの福音書と同じテオフィロという人物に宛てて書かれています。


ルカは、パウロの弟子であり同労者でしたが、コロサイ人への手紙4:11~14によると、割礼のある人々に入っていないため、ユダヤ人ではなかったと考えられます。


使徒の働きは、12章までの前半が初期の教会の誕生と拡大について、13章からの後半は主にパウロの宣教活動について記しています。


この使徒の働きが焦点を当てていることは、ユダヤ人と異邦人が旧約聖書で示されてきた神の約束である救いをどう分かち合っていくのか、神の計画の中でひとつのキリストの身体となるために、この二者間の敵意をどう乗り越えていくのかにあると言えるでしょう。ペテロとコルネリウスのストーリー(ぽちっとバイブル第44回参照)やパウロによる異邦人への宣教活動がそのことを明らかにしています。その時、文化的な違いをどう処理するのかという繊細な問題も絡んで、話が展開していきます。


『しかし、聖霊があなたがたの上に臨むとき、あなたがたは力を受けます。そして、エルサレム、ユダヤとサマリアの全土、さらに地の果てまで、わたしの証人となります。』

使徒の働き 1:8


この言葉にあるように、イエス・キリストを伝える宣教活動は、聖霊による神の力なしには達成できないものであることが、読み進んでいくとわかります。ここでの“証人”という言葉は、“殉教者”という意味も持っており、当時の人々が命がけで取り組んだことが感じられます。


『ガリラヤの人たち、どうして天を見上げて立っているのですか。あなたがたを離れて天に上げられたこのイエスは、天に上って行くのをあなたがたが見たのと同じ有様で、またおいでになります。』

使徒の働き 1:11


命がけの宣教活動でしたが、イエス・キリストが再びやってくるという希望の約束を持ちながら、弟子たちはその時代を生き抜いていったのでしょう。ぽちっとバイブルでは、これから何回かに分けて、使徒の働きを読んでいきます。お楽しみに!


『パウロは、まる二年間、自費で借りた家に住み、訪ねて来る人たちをみな迎えて、

少しもはばかることなく、また妨げられることもなく、神の国を宣べ伝え、主イエス・キリストのことを教えた。』

使徒の働き 28:30~31



聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会


参考文献:

『The COMPLETE JEWISH Study Bible』 (HENDRICKSON BIBLES)

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