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ぽちっとバイブル 第44回『コルネリウスの幻』


📖聖書箇所 

(新)使徒の働き10:1~48

🎨「百人隊長コルネリウスに洗礼を授けるペテロ」

 フランチェスコ・トレビザーニ作

 1709年

 (Wikimedia Commonsより)



今回は、使徒の働き10章から、ローマ軍の百人隊長コルネリウスの話です。

カイサリアという町にいたコルネリウスは、ユダヤ人ではありませんが、神を恐れる敬虔な人で、いつも神に祈っていました。すると・・・。

『ある日の午後三時ごろ、彼は幻の中で、はっきりと神の御使いを見た。その御使いは彼のところに来て、「コルネリウス」と呼びかけた。彼は御使いを見つめていたが、恐ろしくなって言った。

「主よ、何でしょうか。」

すると御使いは言った。

「あなたの祈りと施しは神の御前に上って、覚えられています。さあ今、ヤッファに人を遣わして、ペテロと呼ばれているシモンという人を招きなさい。その人は、シモンという皮なめし職人のところに泊まっています。その家は海辺にあります。」』

使徒の働き 10:3~6

そこで、コルネリウスはすぐに使いを出します。

『翌日、この人たちが旅を続けて、町の近くまで来たころ、ペテロは祈るために屋上に上った。昼の十二時ごろであった。彼は空腹を覚え、何か食べたいと思った。ところが、人々が食事の用意をしているうちに、彼は夢心地になった。すると天が開け、大きな敷布のような入れ物が、四隅をつるされて地上に降りて来るのが見えた。その中には、あらゆる四つ足の動物、地を這うもの、空の鳥がいた。

そして彼に、「ペテロよ、立ち上がり、屠って食べなさい」という声が聞こえた。しかし、ペテロは言った。

「主よ、そんなことはできません。私はまだ一度も、きよくない物や汚れた物を食べたことがありません。」

すると、もう一度、声が聞こえた。

「神がきよめた物を、あなたがきよくないと言ってはならない。」

このようなことが三回あってから、すぐにその入れ物は天に引き上げられた。』

同 10:9~16

ペテロがこの幻について思い巡らしていると、聖霊が、コルネリウスの使いが訪ねてくるので、ためらわず一緒に行くようにとペテロに語ります。

コルネリウスは、親族や友人を集めて、ペテロを待っていました。そして、やってきたペテロに、自分が見た幻のことを話します。

『そこで、ペテロは口を開いてこう言った。

「これで私は、はっきり分かりました。神はえこひいきをする方ではなく、どこの国の人であっても、神を恐れ、正義を行う人は、神に受け入れられます。神は、イスラエルの子らにみことばを送り、イエス・キリストによって平和の福音を宣べ伝えられました。このイエス・キリストはすべての人の主です。」』

同 10:34~36

🐶ぽちっとひとこと

当時、ユダヤ人は、ユダヤ人ではない、いわゆる異邦人と家を行き来するような付き合いをしませんでした。ですが、この出来事を通して、異邦人も神に受け入れられ、イエス・キリストを信じることができることが明らかになりました。この時、コルネリウスたちは、聖霊に満たされ、その後すぐに、バプテスマ(洗礼)を受けたことが記されています。

ペテロが大きな敷布の幻を見ました。きよくない物や汚れた物が入っていたとあります。旧約聖書にユダヤ人の食物規定が書いてありますが、コシャー(コシェール)と呼ばれ、牛・羊は食べられるが豚は食べられない等、定められていました。(旧約聖書レビ記11章参照)

ユダヤ人は、全世界を祝福するために神に選ばれた民なので、他の民族と区別された聖なる民であるしるしとして、このような規定があったと思われます。そして、彼らは、この規定を持たない異邦人を、宗教的に汚れていると考えていたのでした。

けれども、『神がきよめた物を、あなたがきよくないと言ってはならない。』という言葉で、神は、民族、国籍、生まれなどに関係なく、イエス・キリストによる救いをもたらすことをペテロに示されたのですね。

聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

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