ぽちっとBプラス No.42 『神と格闘した人』
- pochittobible
- 2021年2月26日
- 読了時間: 3分
更新日:2021年2月27日
🎨「ヤコブの梯子」
マイケル・ウィルマン作 1691年
ヤコブはその生涯の中で、何度か神体験をしています。2つご紹介しましょう。
最初は、ヤコブがエサウから逃れた時のことです。
『彼はある場所にたどり着き、そこで一夜を明かすことにした。ちょうど日が沈んだからである。彼はその場所で石を取って枕にし、その場所で横になった。すると彼は夢を見た。見よ、一つのはしごが地に立てられていた。その上の端は天に届き、見よ、神の使いたちが、そのはしごを上り下りしていた。そして、見よ、主がその上に立って、こう言われた。
「わたしは、あなたの父アブラハムの神、イサクの神、主である。わたしは、あなたが横たわっているこの地を、あなたとあなたの子孫に与える。あなたの子孫は地のちりのように多くなり、あなたは、西へ、東へ、北へ、南へと広がり、地のすべての部族はあなたによって、またあなたの子孫によって祝福される。見よ。わたしはあなたとともにいて、あなたがどこへ行っても、あなたを守り、あなたをこの地に連れ帰る。わたしは、あなたに約束したことを成し遂げるまで、決してあなたを捨てない。」』
創世記 28:11~15
不思議な光景の夢を見ています。その夢の中で、神は、ヤコブの祖父アブラハムと交わした契約(ぽちっとバイブル第9回参照)と同じことをヤコブに約束します。
2つめは、年月を経て、エサウと再会するために帰ってくる途中のことです。
『ヤコブが一人だけ後に残ると、ある人が夜明けまで彼と格闘した。その人はヤコブに勝てないのを見てとって、彼のももの関節を打った。ヤコブのももの関節は、その人と格闘しているうちに外れた。すると、その人は言った。「わたしを去らせよ。夜が明けるから。」
ヤコブは言った。「私はあなたを去らせません。私を祝福してくださらなければ。」
その人は言った。「あなたの名は何というのか。」
彼は言った。「ヤコブです。」
その人は言った。「あなたの名は、もうヤコブとは呼ばれない。イスラエルだ。あなたが神と、また人と戦って、勝ったからだ。」
ヤコブは願って言った。「どうか、あなたの名を教えてください。」
すると、その人は「いったい、なぜ、わたしの名を尋ねるのか」と言って、その場で彼を祝福した。そこでヤコブは、その場所の名をペヌエルと呼んだ。「私は顔と顔を合わせて神を見たのに、私のいのちは救われた」という意味である。』
創世記 32:24~30
ヤコブと格闘した人は、神と同一視される神の使いだったと考えられますが、ヤコブが必死に祝福を求めたので、神は勝たせてくださったのでしょう。そして、“ももの関節を打った”とありますが、この後、ヤコブは足を引きずるようになります。それは、自分の力ではなく、神に頼らなければならないことを示しているかのようですね。
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
参考文献
『ファイヤーバイブル注解付聖書』(ライフパブリッシャーズ)
コメント