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ぽちっとバイブル 第70回『眠りについた人』


📖聖書箇所 

(旧)使徒の働き8:8~7:60

🎨『聖ステパノ』

ジャコモ・カヴェドーネ作

1577~1660年


イエス・キリストは十字架にかけられ、死んで3日目に復活し、40日間弟子たちに現れ、天に上って行きました。その後、イエスが約束されていた通り、弟子たちが聖霊に満たされるという出来事(ぽちっとバイブル第43回参照)が起こり、イエス・キリストを信じる人たちが数千人規模で増えていきました。


『さて、ステパノは恵みと力に満ち、人々の間で大いなる不思議としるしを行っていた。』

使徒の働き 6:8


爆発的に増えた信者たちの世話をするリーダーのひとりがステパノでした。ステパノは、反対者たちと議論しますが、彼らは信仰と聖霊に満ちたステパノの知恵に対抗できなかったため、偽証によって人々を扇動し、ステパノを捕らえ、最高法院(サンヘドリン、当時の最高裁判権を持った機関)に連れて行きます。


『最高法院で席に着いていた人々が、みなステパノに目を注ぐと、彼の顔は御使いの顔のように見えた。』

使徒の働き 6:15


ステパノは、この最高法院でイスラエルの神と人との歴史を語り、先祖たちが神の預言者を迫害したように、人々はキリストであるイエスを殺して同じことをしたと指摘します。


『人々はこれを聞いて、はらわたが煮え返る思いで、ステパノに向かって歯ぎしりしていた。しかし、聖霊に満たされ、じっと天を見つめていたステパノは、神の栄光と神の右に立っておられるイエスを見て、

「見なさい。天が開けて、人の子が神の右に立っておられるのが見えます」と言った。

人々は大声で叫びながら、耳をおおい、一斉にステパノに向かって殺到した。そして彼を町の外に追い出して、石を投げつけた。証人たちは、自分たちの上着をサウロという青年の足もとに置いた。こうして彼らがステパノに石を投げつけていると、ステパノは主を呼んで言った。

「主イエスよ、私の霊をお受けください。」

そして、ひざまずいて大声で叫んだ。

「主よ、この罪を彼らに負わせないでください。」こう言って、彼は眠りについた。』

使徒の働き 7:54~60


🐶ぽちっとひとこと


ステパノの最後の言葉の、“主よ、この罪を彼らに負わせないでください。”は、イエスが十字架につけられた時の言葉、“父よ、彼らをお赦しください。彼らは、自分が何をしているのかが分かっていないのです。”(ルカの福音書23:34)を思い起こさせます。


ステパノは、神の恵みと力と知恵に満ちた人で、顔も輝いていたと聖書は記録しています。そして、最初の殉教者となりました。なぜ、神はある人々が殉教するのを許し、ある人々は逃れさせるのでしょうか? それは、私たち人間にはわからないことですが、ステパノが“眠りについた”だけであるように、イエスを信じて新しい天地での永遠のいのちをいただいている者にとっては、死んでも希望があるのですね。まさに、“生きることはキリスト、死ぬことは益です”(ピリピ人への手紙 1:21)なのでしょう。


聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会


参考文献:

『ファイヤーバイブル注解付聖書』(ライフパブリッシャーズ)

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