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ぽちっとバイブル 第67回『シメオンとアンナ』


📖聖書箇所 

🎨『シメオンの賛歌』

レンブラント・ファン・レイン作

1631年


聖書には、イエスは誕生後、八日目には割礼を受け、さらに、両親はイエスを連れて、モーセの律法通りにエルサレムの神殿に行って、いけにえを捧げたことが書かれています。そして、彼らがささげたいけにえは、イエスの両親ヨセフとマリアが貧しかったことがわかるものでした。


そこに現れたのがシメオンと女預言者アンナです。シメオンはこの時、すでに高齢だったと思われますが、次のように神をほめたたえています。


『主よ。今こそあなたは、おことばどおり、

しもべを安らかに去らせてくださいます。

私の目があなたの御救いを見たからです。

あなたが万民の前に備えられた救いを。

異邦人を照らす啓示の光、御民イスラエルの栄光を。』

ルカの福音書 2:29~32


シメオンは、聖霊によって赤ちゃんのイエスを見て、救い主であることがわかったのでしょう。そして、その救いがイスラエルだけではなく、万民、つまり、すべての人々に及ぶことを“預言”したのですね。


女預言者アンナも神に感謝をささげ、エルサレムのあがないを待ち望んでいた人々に、イエスのことを語ったとあります。その当時、人々は救い主がやってきて、自分たちを圧政から救い出してくれることを待っていた時代であったことがわかります。



🐶ぽちっとひとこと


シメオンとアンナには共通することがあります。シメオンは『イスラエルが慰められる』ことを待ち望んでいました。また、アンナは、『エルサレムの贖(あがな)い』を待ち望んでいた人々に語りました。このイスラエルが慰められるというのはいつでしょうか?エルサレムが贖われるのはいつでしょうか?もう起こったのでしょうか?それとも、救い主イエス・キリストによって、これから完成される神の国の時でしょうか?


その後、イエスは、『悔い改めなさい。天の御国が近づいたから』(マタイ4:17)と言って、宣教を開始し、『神の国の福音を宣べ伝えなければなりません』(ルカ4:43)と言って、宣教を続けられました。このように、イエスが神の国の完成に向かって歩まれたことは、『イスラエルの慰め』と『エルサレムの贖い』につながっているように思われます。


シメオンはさらに、イエスの母マリアに次のように語りました。


『ご覧なさい。この子は、イスラエルの多くの人が倒れたり立ち上がったりするために定められ、また、人々の反対にあうしるしとして定められています。

あなた自身の心さえも、剣が刺し貫くことになります。それは多くの人の心のうちの思いが、あらわになるためです。』

ルカの福音書 2:34~35


この言葉の通り、マリアはイエスが人々に反対され、ある人々には歓迎され、そして、十字架につけられるところまで見届けることになります。聖霊によって身ごもったとはいえ、自分の身から生まれたイエスが酷い目に遭うのを見ることは、マリアにとって、心が刺し貫かれることであったに違いありません。ですが、神の計画の中で、これらのことは現実となっていったのですね。


聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

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