ぽちっとバイブル 第66回『キリストの誕生を知らされた人々』
- pochittobible
- 2021年7月30日
- 読了時間: 3分
📖聖書箇所
(旧)マタイ2:1~12
🎨『博士たちの礼拝』
バルトロメ・エステバン・ムリーリョ作 1655-1660年
ユダヤ人は、聖書の預言通り、バビロン捕囚から解放され、エルサレムに帰ってきましたが、生活は貧しく、さまざまな圧政のもとに苦しい生活を余儀なくされていました。そうした中で、人々はそのような苦しい生活から助け出してくれる救い主キリストを待ち望んでいました。
イエス・キリストが誕生したことを知り、生まれたばかりのイエスに出会った人々である東方の博士たちの箇所を今日は読んでみたいと思います。
『イエスがヘロデ王の時代に、ユダヤのベツレヘムでお生まれになったとき、見よ、東の方から博士たちがエルサレムにやって来て、こう言った。
「ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおられますか。私たちはその方の星が昇るのを見たので、礼拝するために来ました。」
マタイの福音書 2:1~2
この博士たちはどこからやってきたのでしょうか?エルサレムから見て東の方なので、バビロン(現在のイラク)周辺であったと言われています。そこは、アブラハムの故郷であり、ユダヤ人たちが捕囚されていた場所でもありました。そこからキリストを礼拝しに、高い地位にあったと思われる博士たちがやってくるというのは、神の計画の不思議さを感じさせます。
これを聞いた当時のユダヤの王ヘロデは動揺しますが、博士たちにその生まれた子どものことを知らせてほしい、自分も行って礼拝するからと伝え、博士たちを行かせます。
『博士たちは、王の言ったことを聞いて出て行った。すると見よ。かつて昇るのを見たあの星が、彼らの先に立って進み、ついに幼子のいるところまで来て、その上にとどまった。その星を見て、彼らはこの上もなく喜んだ。それから家に入り、母マリアとともにいる幼子を見、ひれ伏して礼拝した。そして宝の箱を開けて、黄金、乳香、没薬を贈り物として献げた。彼らは夢で、ヘロデのところへ戻らないようにと警告されたので、別の道から自分の国に帰って行った。』
マタイの福音書 2:9~12
🐶ぽちっとひとこと
博士たちは、よく言われるように3人ではなく、おそらくもっと大勢で隊を組んで、旅をしてきたと思われます。そして、彼らの贈り物は、イエスの生涯を表すものでした。黄金は王であることを示し、乳香は祈りをささげる大祭司を、そして、没薬は死者に塗る油であったことから、イエスの十字架の死を暗示していたと考えられています。
そして、貧しいヨセフとマリアにとって、この後、イエスの命を狙うヘロデ王を避けて、エジプトへ逃れますが、博士からの贈り物は、その旅費となり、生活費となったことが想像できます。
ユダヤ人が待ち望んでいた救い主キリストにいち早く出会った人々の中に、異邦人である博士たちがいたことは、イエスを通しての救いがユダヤ人だけではなく、世界中の人々にもたらされることをすでに示しているようですね。
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
参考文献:
『新聖書ハンドブック』ヘンリー・H・ハーレイ著(いのちのことば社)
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