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ぽちっとバイブル 第63回『裁きと希望のイザヤ書』


📖聖書箇所 

🎨『火できよめられるイザヤの唇』

ベンジャミン・ウエスト作 1782年



イザヤ書と聞くと、どんなことを思い浮かべますか? きっと次の言葉を思い出す人が多いのではないでしょうか?


『わたしの目には、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している。』

イザヤ書 43:4


神が私を愛してくださっているのだと感動します。


『それゆえ、主は自ら、あなたがたに一つのしるしを与えられる。見よ、処女が身ごもっている。そして男の子を産み、その名をインマヌエルと呼ぶ。』

イザヤ書 7:14


これは、クリスマスの時によく聞く言葉です。この言葉通りにイエス・キリストがこの世に生まれてくださいました。


新約聖書に引用されている言葉など、イザヤ書には有名な言葉が数多く含まれています。


イザヤ書は66章あり、前半の1章から39章までと、後半の40章から66章までに分けられ、聖書全体の縮小版のようだと言われています。このイザヤ書をひとことで言うなら、“裁きと希望”の書と言えるでしょう。


預言者イザヤは、南王国ユダの王のウジヤ、ヨタム、アハズ、ヒゼキヤの時代(BC700年前後の約50年間)にエルサレムで活動しました。


前半でイザヤは、ユダの人々が神に反抗して偶像礼拝し、不正を行っていることへの警告のメッセージが多く書かれています。そして、神の裁きとして、やがてバビロン(新バビロニア)に滅ぼされるという預言もあります。


『主は遠く離れた国に旗を揚げ、

 地の果てから来るように合図される。

 ~(略)~

 その日、その民は海のとどろきのように、

 イスラエルにうなり声をあげる。』

同 5:26、30


遠く離れた国はバビロンを指していると思われます。その国が獅子のようにイスラエルに襲いかかることを描写しています。


けれども、そのバビロンも滅ぼされること、やがて救い主であるメシアが来られることや、周辺の国々に対する神の裁きの預言、また、ヒゼキヤ王の生涯についての記録も含まれています。


後半では、希望と救いと慰めが語られ、エルサレムが再建されることや、メシアを現わすしもべの様子を描き、やがてあらゆる国の人々が真の神を礼拝する時が来ることを伝えています。


『わたしが造る新しい天と新しい地が、わたしの前にいつまでも続くのと同じように、──主のことば──あなたがたの子孫とあなたがたの名もいつまでも続く。新月の祭りごとに、安息日ごとに、すべての肉なる者がわたしの前に来て礼拝する。──主は言われる──』

同 66:22~23


預言書に書かれている神の厳しい裁きの描写に、私たちは驚きますが、同時に、神の変わることのない愛と救いの計画が壮大なスケールで描かれています。長いイザヤ書ですが、ゆっくりひとつひとつの言葉を思い巡らせてみたいですね。


聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会


参考文献:『ファイヤーバイブル注解付聖書』(ライフパブリッシャーズ)

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