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ぽちっとバイブル 第59回『士師の時代~サムソン』


📖聖書箇所 

(旧)士師記13~16章

🎨「獅子と闘うサムソン」

ルーカス・クラナッハ作 1520年頃


モーセの後継者ヨシュアがイスラエル人を率いて、神が約束された地、すなわち、カナンの地に入っていった後、イスラエルに王が立ち、王国となるまでの間を描いているのが士師記です。


『そのころ、イスラエルには王がなく、それぞれが自分の目に良いと見えることを行っていた。』

士師記 17:6 & 21:25


これは、士師記の途中と最後に出てくる言葉で、士師記の時代を表しています。イスラエル人が道徳的にも信仰的にも衰退していったことがうかがえます。


この時代、まだカナンの地には他民族が住んでいたため、イスラエル人は彼らからの圧迫を受けており、人々が神に助けを叫び求めると、神はその都度、リーダー(士師)を起こし、イスラエル人を助けられたのでした。


昨年はギデオンを紹介しました(ぽちっとバイブル第15回参照)が、その他の士師で有名なのは、やはりサムソンでしょう!


『見よ。あなたは身ごもって男の子を産む。その子の頭にかみそりを当ててはならない。その子は胎内にいるときから、神に献げられたナジル人だから。彼はイスラエルをペリシテ人の手から救い始める。』

士師記 13:5


これは、サムソンの母親に主の使いが語った言葉です。ナジル人というのは、神にささげられた人、または、神に仕えることを誓った人で、民数記6章によると、強い酒やぶどう酒を飲まず、頭にかみそりを当てず、律法で汚れているとされていることをしないとなっています。


サムソンは生まれる前から、イスラエルを異民族のペリシテ人から救うことになると、神に任命されていたのですね。



🐶ぽちっとひとこと


サムソンは神から超人的な力を授かっていましたが、粗野で乱暴にふるまう人物でした。そして、イスラエル人は異民族と結婚してはいけないと神の律法に定められていたにもかかわらず、サムソンはペリシテ人の女性と結婚します。


両親は嘆きますが、聖書は次のように説明しています。


『彼の父と母は、それが主によることだとは知らなかった。主は、ペリシテ人と事を起こす機会を求めておられたのである。そのころ、ペリシテ人がイスラエルを支配していた。』

士師記 14:4


神はサムソンの罪深さにもかかわらず、ご自身の計画のためにサムソンを用いたのでしょうか? 『主の霊が激しくサムソンの上に下った』という表現が、何度も書かれており(14:6、14:9、15:14)、その度に、サムソンは襲いかかる敵を打ち負かします。


サムソンはその後、ペリシテ人の遊女デリラに溺れて、神に与えられた力の秘密を明かしたため、力と共に神もサムソンから離れてしまい、ペリシテ人に捕らえられます。希望の持てない状況になって、サムソンは悔い改めの叫びをして神を求め、『ペリシテ人と一緒に死のう』(士師記16:30)と言って、最後にもう一度神が与えた力によって、多くのペリシテ人と共に悲劇的な最期を遂げます。


このようなサムソンでしたが、新約聖書では、信仰者のひとりとして挙げられています。


『これ以上、何を言いましょうか。もし、ギデオン、バラク、サムソン、エフタ、またダビデ、サムエル、預言者たちについても語れば、時間が足りないでしょう。彼らは信仰によって、国々を征服し、正しいことを行い、約束のものを手に入れ、獅子の口をふさぎ、火の勢いを消し、剣の刃を逃れ、弱い者なのに強くされ、戦いの勇士となり、他国の陣営を敗走させました。』

ヘブル人への手紙 11:32~34



聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会


参考文献

『ファイヤーバイブル注解付聖書』(ライフパブリッシャーズ)

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