ぽちっとバイブル 第52回『多くの国民の父アブラハム』
- pochittobible
- 2021年1月15日
- 読了時間: 3分
📖聖書箇所
(旧)創世記12:10~20
🎨「アブラハムの旅立ち」
ヨーゼフ・モルナール作 1850年
2021年になりました!
今年のぽちっとバイブルでは、昨年に紹介できなかった聖書のストーリーを隔週でお届けしていきますので、どうぞよろしくお願いします。
聖書の最初の創世記は、聖書全体を理解する上で、とても重要な人物が多く出てきます。中でも大切な役割を担っている人物の1人が、アブラハムです。
『あなたの名は、もはや、アブラムとは呼ばれない。あなたの名はアブラハムとなる。わたしがあなたを多くの国民の父とするからである。』
創世記 17:5
聖書に出てくる人物の名前(ヘブル語)には、意味があります。アブラハムはもともとの名前はアブラムで、意味は“高く上げられた父”でした。そして、途中で神から、アブラハムとされ、意味は、“多くの者の父”となりました。
『あなたがたがキリストのものであれば、アブラハムの子孫であり、約束による相続人なのです。』
(新)ガラテヤ人への手紙 3:29
これは、アブラハムがユダヤ人の先祖であるだけではなく、それ以外のすべての人々が、イエス・キリストを信じる信仰によってアブラハムの子孫になるというのですから、超重要人物というわけです。(もちろんこれは、生物学的な子孫ではなく、同じ信仰を持つという意味での子孫です。)
🐶ぽちっとひとこと
超重要人物のアブラハムですが、聖書には、アブラハムの弱点も書かれています。
まだ、アブラムであった時代、住んでいたカナンの地(現イスラエル)に飢饉があり、アブラムはエジプトに避難しました。
『彼がエジプトに近づいて、その地に入って行こうとしたとき、妻のサライに言った。「聞いてほしい。私には、あなたが見目麗しい女だということがよく分かっている。
エジプト人があなたを見るようになると、『この女は彼の妻だ』と言って、私を殺し、あなたを生かしておくだろう。私の妹だと言ってほしい。そうすれば、あなたのゆえに事がうまく運び、あなたのおかげで私は生き延びられるだろう。』
創世記 12:11~13
妻サライ(後のサラ)は、アブラムの異母妹ですが、妻です。ですから、それを妻と言わずに、妹というのは、おかしな話です。実際、エジプトの王であるファラオが、サライを宮廷に迎え入れ、アブラムは花嫁料をたくさん受け取ります。ですが、神の側からの介入があり、アブラムはサライと無事にエジプトを去ることができました。
これと全く同じことを、アブラハムはもう一度してしまいます。ゲラルという地に寄った時のことです。(創世記20章)そして、不思議なことに、そこでも嘘をつかれた側の王から、家畜などの贈り物をもらって彼らは無事に出て行ったというのです。
“多くの国民の父”になるという使命を神から与えられたアブラハムですが、欠点や弱さのある普通の人であったことがわかると同時に、神はそのような人物をも守り、使命を果たすことができるようにされたのですね。
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
参考文献
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