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ぽちっとBプラス No.46『モアブ人ルツ』


🎨「ボアズの畑のルツ」

ユリウス・カロルスフェルト作 1828年


士師記と同じ時代の出来事を描いているのが、ルツ記です。士師記の混乱した話と打って変わって、清らかな美しいストーリーにホッとします。


ベツレヘム出身のエリメレクとナオミ夫婦が2人の息子を連れて、飢饉のため、異邦人の地モアブに移住するところから話は始まります。モアブ人は、アブラハムの甥ロトの子孫でしたが、モアブの偶像の神々を拝み、自分の子供をいけにえにするような人々でした。


その地で夫と息子2人が亡くなり、未亡人となったナオミはベツレヘムに帰ることにしました。


『あなたの民は私の民、あなたの神は私の神です。』

ルツ記 1:16


嫁のひとりモアブ人のルツのこの言葉は、ナオミの信仰を自分の信仰にしたと言えそうです。そして、ナオミと一緒にベツレヘムに向かったのでした。聖書の時代、ましてイスラエル人から見て、モアブ人は異邦の民族として嫌われる可能性も十分ありましたから、ルツの決心は相当のものだったと思われます。


その後、ルツはナオミの親戚で、イスラエルの律法によって家族の土地を保ち続けるための買い戻しの権利を持つボアズと出会い、結婚します。やがてオベデという息子が生まれ、その息子はエッサイ、そして、その息子が後に王となるダビデです。


ルツは、イスラエルの神を信じ、自ら信仰の行いをもって行動しています。また、ルツを買い戻したボアズは、信仰を持つ人々を救い出すイエス・キリストのような役割を果たしていると考えられています。ルツ記には、この家族がダビデ王を経て、救い主キリストを生み出す家系として整えられていったことが描かれているのですね。


『近所の女たちは、「ナオミに男の子が生まれた」と言って、その子に名をつけた。彼女たちはその名をオベデと呼んだ。オベデは、ダビデの父であるエッサイの父となった。』

ルツ記 4:17


ルツ記の著者は不明ですが、この言葉によってルツ記が少なくともダビデの時代以降に書かれたことがわかります。そんなことも分厚い聖書を読む楽しさの一つです!


聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会


参考文献:

『ファイヤーバイブル注解付聖書』(ライフパブリッシャーズ)

『新聖書ハンドブック』ヘンリー・H・ハーレイ著(いのちのことば社)


参考:聖書プロジェクト動画「ルツ記」



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