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ぽちっとBプラス No.44『トーラー(モーセ五書)のおしえ』


旧約聖書の最初の5つの書、創世記、出エジプト記、レビ記、民数記、申命記を、まとめてモーセ五書、または、“トーラー”(Torah)と呼びます。この5つの書は、モーセが書いたものとされています。


“トーラー”は、聖書全体を理解するための基本となるストーリーであり、神の教えが書かれています。日本語聖書の中では、“みおしえ”と訳されていることが多いのですが、“律法”と訳されている場合もあります。“律法”と聞くと、厳しい戒律をイメージしそうですね。


“律法”と言えば、聖書では、出エジプト記に出てくる十戒をはじめとした教えを連想する方が多いと思います。狭義の“律法”は、神がまずイスラエル人に与えた規範であり、生活の手引きでもありました。世界中の人々を祝福するために、イスラエル人が神の民として整えられるためのものでした。


『主のおしえを喜びとし

昼も夜もそのおしえを口ずさむ人。

その人は流れのほとりに植えられた木。

時が来ると実を結び

その葉は枯れず

そのなすことはすべて栄える。』

(旧)詩篇 1:2~3


この詩篇の“主のおしえ”は、“トーラー”です。祝福のおしえであることがわかります。狭義の律法だけではなく、“トーラー”全体を“主のおしえ”としているのですね。


『多くの国々が来て言う。

「さあ、主の山、ヤコブの神の家に上ろう。

主はご自分の道を私たちに教えてくださる。

私たちはその道筋を進もう。」

それは、シオンからみおしえが、

エルサレムから主のことばが出るからだ。』

(旧)ミカ書 4:2


旧約聖書の預言書、ミカ書の言葉です。シオンはイスラエルを指します。“みおしえ”は“トーラー”です。ここでは、多くの国々、つまり、世界中から集まる国々の人が、“トーラー”のおしえを求めて集まる光景が描かれています。


“トーラー”から出たおしえが、イスラエル民族だけではなく、世界中の人々を祝福するおしえなのでしょうか? 


『イエスは彼に言われた。「『あなたは心を尽くし、いのちを尽くし、知性を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい。』

これが、重要な第一の戒めです。

『あなたの隣人を自分自身のように愛しなさい』という第二の戒めも、それと同じように重要です。この二つの戒めに律法と預言者の全体がかかっているのです。」』

マタイの福音書 22:37~40


ここでのイエス・キリストの言葉の“律法”も、神のおしえ全体と理解することができます。“律法”と“預言者(=預言書)”という旧約聖書のおしえが、2つの戒めにまとめられると言うのです。ずいぶんわかりやすくなりました。聖書のストーリーは不思議で、深いですね。


聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会



参考文献

『The COMPLETE JEWISH Study Bible』 (HENDRICKSON BIBLES)

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