ぽちっとBプラス No.27 『鶏が鳴く前に』
- pochittobible
- 2020年10月2日
- 読了時間: 3分

🎨『ペテロの否認』
ホントホルスト作 1620年頃
ゲッセマネでイエスが祈られた後のことです。イエスがイスカリオテのユダに裏切られ、逮捕されます。
『イエスがまだ話をしておられるうちに、見よ、群衆がやって来た。十二人の一人で、ユダという者が先頭に立っていた。ユダはイエスに口づけしようとして近づいた。
しかし、イエスは彼に言われた。
「ユダ、あなたは口づけで人の子を裏切るのか。」』
ルカの福音書22:47~48
『彼らはイエスを捕らえ、引いて行き、大祭司の家に連れて入った。ペテロは遠く離れてついて行った。人々が中庭の真ん中に火をたいて、座り込んでいたので、ペテロも中に交じって腰を下ろした。すると、ある召使いの女が、明かりの近くに座っているペテロを目にし、じっと見つめて言った。「この人も、イエスと一緒にいました。」
しかし、ペテロはそれを否定して、「いや、私はその人を知らない」と言った。
しばらくして、ほかの男が彼を見て言った。「あなたも彼らの仲間だ。」
しかし、ペテロは「いや、違う」と言った。
それから一時間ほどたつと、また別の男が強く主張した。
「確かにこの人も彼と一緒だった。ガリラヤ人だから。」
しかしペテロは、「あなたの言っていることは分からない」と言った。するとすぐ、彼がまだ話しているうちに、鶏が鳴いた。
主は振り向いてペテロを見つめられた。ペテロは、「今日、鶏が鳴く前に、あなたは三度わたしを知らないと言います」と言われた主のことばを思い出した。
そして、外に出て行って、激しく泣いた。』
ルカの福音書22:54~62
ペテロは、イエスに「あなたとご一緒なら、牢であろうと、死であろうと、覚悟はできております。」(ルカ22:33)と言っていたにもかかわらず、イエスを知らないと三度も否定してしまいました。
イエスがどのような思いでペテロを見つめられたのか、ペテロが号泣したのはなぜなのか、考えさせられます。
それを知るヒントになるイエスの言葉があります。ゲッセマネの祈りの前です。
『シモン、シモン。見なさい。サタンがあなたがたを麦のようにふるいにかけることを願って、聞き届けられました。しかし、わたしはあなたのために、あなたの信仰がなくならないように祈りました。ですから、あなたは立ち直ったら、兄弟たちを力づけてやりなさい。』
ルカの福音書22:31~32
シモンというのは、ペテロの生まれた時からの名前です。生まれながらの人間は、弱さがあります。ですが、イエスが祈ることによって、目に見えない世界での戦いにイエスが勝利し、ペテロの信仰がなくならずに立ち直ることがすでに示されています。そして、その言葉通りにペテロはやがて、教会のリーダーとなり、イエスの教えが全世界に広がる土台を築いたのですね。
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
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