ぽちっとBプラス No.19 『右の頬を打つ者には左の頬も』
- pochittobible
- 2020年7月31日
- 読了時間: 2分

🎨主の祈り(ラテン語)
マクシミリアン1世の教科書より
1500年頃
『山上の説教』は、マタイの福音書の5章から7章まで続きます。その中には、有名な言葉がたくさん出てきますが、次の言葉はいかがでしょうか?
『「目には目を、歯には歯を」と言われていたのを、あなたがたは聞いています。しかし、わたしはあなたがたに言います。悪い者に手向かってはいけません。あなたの右の頬を打つ者には左の頬も向けなさい。』
マタイの福音書 5:38~39
「目には目を~」は、出エジプト記やレビ記などに書かれていたものですが、イエスは、「しかし~」と続けて、逆に思われることを語っています。ユダヤ人であるヨセフ・シュラム氏の著書『隠された宝』(イエスと使徒たちが用いたユダヤ的聖書解釈法)での説明を要約すると、次のようなことがわかります。
どうして、イエスは「左の頬も~」と言ったのでしょうか?ここで、当時の文化的背景を考えてみましょう。当時のイスラエルは、ローマ帝国の支配下にありました。ローマ人たちの支配はやりたい放題のところがあり、彼らはイスラエル人の衣類、家畜、道具などをすぐに取り上げることができたそうです。そこでは、恥をかかされたり、虐げられることが日常的に見られたことがわかります。
そんな毎日の中で、イエスは悪に悪をもって返してはならないと言っているのです。それは、同じやり方で復讐するなら、相手の悪に影響されたことになるからです。悪を受けてもそれに耐え得るほど誇り高く、心の強い者であることを相手に示しなさいと言っているようです。
ものすごく誇り高い話ですね🙂
旧約聖書の哀歌にも次のような言葉があります。
『自分を打つ者には頬を向け、
十分に恥辱を受けよ。』
哀歌3:30
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
参考文献
『隠された宝』ヨセフ・シュラム著(イーグレープ)
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