ぽちっとBプラス No.16 『四つの福音書について』
- pochittobible
- 2020年7月10日
- 読了時間: 2分

新約聖書の最初に、マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネという四つの福音書が並んでいます。“福音”は、「良い知らせ」という意味で、ひとことで言えば、イエス・キリストによって人々の罪が赦され、永遠のいのちが与えられることでしょうか。
福音書には、そのイエス・キリストの生涯が描かれており、著者の名前がその書の名前になっています。マタイの福音書は、マタイが著者です。
そして、著者は、それぞれ読者対象を想定して、書いたと考えられています。
マタイの福音書:ユダヤ人
マルコの福音書:ローマ人
ルカの福音書: テオフィロとその他の非ユダヤ人(聖書では、異邦人と呼んでいます)
ヨハネの福音書:エペソなどの当時のアジア(現在のトルコ)地方の教会
ですので、同じ場面をいくつかの福音書で比べてみると、著者や読者対象の違いを見ることができます。また、細かい点で食い違っていると思われることもありますが、これは、逆に口裏を合わせて後から書いたものではないことを証明しており、かえって、聖書の信ぴょう性を高めています。
1箇所、比べてみましょう。ローマ軍の百人隊長のしもべの病気をいやした場面です。

マタイの福音書は、ユダヤ人に向けて書いてあるので、アブラハム、イサク、ヤコブの名前も出てきます。彼らは、旧約聖書をよく知っていますし、まして、自分たちの先祖の名前が出てくるなら、ピンと来たでしょう。ところが、非ユダヤ人向けのルカの福音書では、そこは省略してありますね。
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
参考文献
『新聖書ハンドブック』ヘンリー・H・ハーレイ著(いのちのことば社)
『ファイヤーバイブル注解付聖書』(ライフパブリッシャーズ)
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